SEOは検索エンジン最適化の略です。では、その最適化の相手である検索エンジンとは、そもそも何なのでしょうか。
この記事では、検索エンジンそのものに焦点をあてて、定義・種類・シェアといった基本を整理していきます。SEOを考えるうえでの土台となる部分です。
検索エンジンとは何か
検索エンジンとは、ユーザーが入力した検索キーワードに対して、関連するウェブページを探し出し、順番に並べて表示してくれる仕組みのことです。GoogleやBingが代表例です。
私たちが普段検索すると言うとき感じているのは、「キーワードを入れたら、関連するページが上から順に出てくる」という体験だと思います。検索エンジンは、その裏側でいくつかの作業を行っています。
大きく分けると、検索エンジンは3つの段階で動いています。まず、検索エンジンのロボットがインターネット上のページを次々と見て回ります。これをクロールと呼びます。次に、見つけたページの内容を読み取り、検索エンジンのデータベースに登録します。これをインデックスと呼びます。そして、ユーザーが検索したときに、登録されたページの中から関連性が高いと判断したものを順番に並べて表示します。これがランキングです。
つまり、私たちが目にしているのは最後の「順番に並べて表示する」ところだけで、その前に「ページを見つける」「登録する」という準備が行われているのです。SEOとは、この一連の流れに対して、自分のサイトがうまく扱われるように働きかけていく取り組みだといえます。
検索結果は基本、10本のリンク
検索エンジンにキーワードを入力すると、関連するページが一覧で表示されます。この検索結果は、基本的に10本のリンクが上から順番に並ぶ形になっています。1ページ目に10件、関連性が高いと判断された順に表示される。これが昔から変わらない検索結果の基本の形です。
SEOとは、突き詰めれば、この10本のリンクに自分のページが選ばれることを目指す取り組みだ、とも言い換えられます。
なお、今の検索結果は、この10本のリンクだけではありません。検索する言葉によっては、広告が表示されたり、地図や画像が出てきたり、最近ではChatGPTのような生成AIによる回答が上のほうに表示されることも増えています。それでも、検索結果の土台が「関連するページへのリンクを順番に並べたもの」であることは変わりません。まずはこの基本の形を押さえておけば大丈夫です。
検索エンジンにはどんな種類があるか
検索エンジンというとGoogleを思い浮かべる人が多いと思いますが、世の中にはいくつもの検索エンジンがあります。代表的なのは、次の5つです。
| 名称 | 提供元 | 主に使われる地域 |
|---|---|---|
| 世界・日本 | ||
| Bing | マイクロソフト | 世界・日本 |
| Baidu(百度) | 百度 | 中国 |
| Yandex | Yandex | ロシア |
| Naver | NAVER | 韓国 |
このうち世界・日本の主流はGoogleとBingで、Baidu・Yandex・Naverは特定の国や地域でよく使われています。これらは、その国の言葉や文化に合わせて作られていて、検索だけでなくニュースやショッピングなども含めて、生活に根づいたサービスとして使われています。
ここでひとつ知っておきたいことがあります。すべての検索サービスが、自前の検索の仕組みを持っているわけではない、という点です。
たとえば日本でおなじみのYahoo! JAPANは、2010年からGoogleの検索の仕組みを採用しています。そのため、Yahoo!で検索しても、表示される順番はGoogleとほぼ同じです。ニュースやショッピングといったYahoo!独自のメニューは表示されますが、検索そのものの中身はGoogleなのです。日本でSEOを考えるとき、Googleを基準にしておけば大半をカバーできるのは、こうした理由もあります。
出典:アウンコンサルティング『AI時代における世界40カ国・地域の主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】』
日本の検索エンジンシェア
では、日本ではどの検索エンジンがどれくらい使われているのでしょうか。
StatCounterの調査によると、2026年時点の日本の検索エンジンのシェアは、パソコンとスマホを合わせた全体で、Googleが約55%、Bingが約36%、Yahoo!が約6%となっています。かつてはGoogleがもっと大きなシェアを占めていたことを考えると、Bingが伸びてきていることがわかります。
ただし、この数字は使っている機器によって大きく変わります。スマホではGoogleが圧倒的に使われている一方で、パソコンではBingが急速に使われるようになってきました。
その背景にあるのが、Windows 11への切り替えです。Windows 11のパソコンでは、標準のブラウザ(ウェブページを表示するためのソフト)であるEdgeと、検索エンジンのBingが最初から使われやすい設定になっています。新しく買ったパソコンをそのまま使うと、自然とBingで検索する流れになる。これがパソコンでBingが増えている主な理由と見られています。
言い換えると、Bingが伸びているのは、多くの人が自分から進んでBingを選んだというよりも、パソコンの最初の設定のままに使った結果という面が大きいのです。
出典:StatCounter『Search Engine Market Share Japan』、アウンコンサルティング『AI時代における世界40カ国・地域の主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】』
多くの人はスマホで検索している
このシェアの数字は、日本の人がどんな機器でインターネットを使っているかと合わせて見ると、より実態がわかります。
総務省の情報通信白書(令和7年版)によると、2024年の時点で、スマホでインターネットを使う人の割合は74.4%、パソコンを使う人は46.8%でした。スマホがパソコンを大きく上回っています。調査によっては、インターネットをスマホだけで使う人が過半数を占めるという結果も出ています。
パソコンではBingが増えているとはいえ、そもそも多くの人がスマホを中心にインターネットを使っていて、そのスマホではGoogleが強い。全体のシェアでBingが約36%まで来ていても、多くの人が日々使っている検索エンジンは、やはりGoogleが中心だといえます。
出典:総務省『令和7年版 情報通信白書』、LINEリサーチ『〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2025年上期)』
ブラウザと検索エンジンは違う
検索エンジンの話でよく混同されるのが、ブラウザとの違いです。「私はSafariで見ています」「Firefoxを使っています」という人がいますが、これらは検索エンジンではなくブラウザです。
ブラウザとは、ウェブページを表示するためのソフトのことです。Safari、Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeなどがあります。一方、検索エンジンは、そのブラウザの中で使う「キーワードからページを探して返す仕組み」のことです。
混同されやすいのは、ブラウザの中で検索エンジンを使うからです。Safariというブラウザを開いて、その中でGoogleという検索エンジンを使って検索する。この流れの中では、両者の境目が見えにくくなります。
さらに、ブラウザにはそれぞれ最初から設定されている検索エンジンがあります。たとえばSafariはGoogle、EdgeはBingです。そのため「Safariで検索した」という場合でも、実際に検索しているのはGoogleだったりします。ブラウザは窓、検索エンジンはその窓の向こうで動く仕組みと考えるとわかりやすいでしょう。
生成AIは検索エンジンとは違う
最後に、最近広がっている生成AIとの違いにも触れておきます。ChatGPTのように「質問したら答えてくれる」サービスは、検索エンジンと似ているようで、仕組みは違います。
検索エンジンは、キーワードに対して、すでにある関連ページを探し出し、順番に並べて表示します。返ってくるのは、ページへの入り口となるリンクです。一方、生成AIは、質問に対してその場で文章を作って答えます。返ってくるのは、リンクの一覧ではなく、文章そのものです。
ページを探して並べるのが検索エンジン、その場で文章を作って答えるのが生成AI。聞いたら答えてくれるという点は似ていても、この2つは別のものとして考える必要があります。
まとめ
この記事では、SEOの対象である検索エンジンそのものを整理してきました。
- 検索エンジンは、キーワードに対してページを探し順番に並べる仕組み。裏側はクロール、インデックス、ランキングの3段階
- 検索結果の基本形は10本のリンク(今は広告やAIの回答も並ぶ)。SEOはこの10本に選ばれることを目指す取り組み
- 自前の検索の仕組みを持つのはGoogleやBingなど一部。Yahoo! JAPANの中身はGoogle
- 日本のシェアはGoogle約55%・Bing約36%。スマホはGoogle中心、パソコンはBingが増加
- ブラウザ(表示するソフト)と検索エンジン(探す仕組み)は別物。生成AIともまた別
検索エンジンがどういうものかを知っておくと、SEOの一つひとつの取り組みが「何のために、どこへ向けて行うものなのか」が見えやすくなります。

