SEOについて調べていると、内部対策、外部対策という言葉に必ず出会います。あわせてテクニカルSEO、コンテンツSEOという言葉も目にするはずです。ところが、これらの言葉の説明はサイトによって微妙に違い、調べれば調べるほど混乱することがあります。
本記事では、まず内部対策とは何かを外部対策との違いから整理します。そのうえで、言葉の定義が揺れる理由を説明し、内部対策として具体的に何をすればよいのかを解説します。
内部対策とは
内部対策とは、自分のWebサイトの内側で行うSEO施策の総称です。titleタグや見出しの設定、XMLサイトマップの整備、表示速度の改善など、サイトの中で完結する施策はすべて内部対策に含まれます。
対になる言葉が外部対策です。外部対策とは、自分のサイトの外側からの評価を高める施策を指します。中心となるのは被リンク、つまり他のサイトから自分のサイトへリンクを張ってもらうことです。
両者の分かれ目はシンプルで、自分のサイトの内側か外側か、という場所の違いです。
この場所の違いは、施策の性質の違いにもつながります。内部対策は、サイトの編集権限さえあれば自分の手ですべて完結できます。一方、外部対策はリンクを張るかどうかを決めるのが他者であるため、直接コントロールできません。
だからこそ、SEOに取り組むときにまず着手すべきなのは内部対策です。自分で今日から動かせる領域だからです。
なぜ内部対策の定義は揺れるのか
内部対策について調べると、サイトによって説明が食い違っていることに気づくかもしれません。内部対策をテクニカルSEOと同じ意味で使うサイトもあれば、記事の中身を整えることまで含めるサイトもあります。
実は、内部対策にも外部対策にも、Googleによる公式な定義はありません。SEO業界の中で自然に生まれ、定着してきた業界用語だからです。だから各社の説明が揺れるのは、ある意味で当然なのです。
本記事の整理はこうです。内部対策と外部対策は、サイトの内側か外側かという場所による分類。テクニカルSEOとコンテンツSEOは、施策の性質による分類で、前者が技術的な土台、後者が記事作りにあたります。
この2つを別の軸として頭の中に置いておくと、他社の説明を読んだときの混乱がほぐれます。
もともと内部対策と呼ばれていた領域のうち、記事作りの部分がコンテンツSEOという名前で独立しました。その結果、内部対策という言葉に残ったのが技術的な土台の部分です。だから内部対策とテクニカルSEOは、指す範囲が大きく重なるのです。
本記事でも、この実態に合わせて、内部対策を技術的な土台づくりを中心とした施策として解説します。記事コンテンツの作り方は、コンテンツSEOの領域として本記事では扱いません。
内部対策の中身
内部対策の具体的な施策は、検索エンジンの働きに対応させると3つの系統に整理できます。
- クロール対応:検索エンジンがサイトを見つける段階
- インデックス対応:内容を理解して登録する段階
- ページ体験:ユーザーが快適に閲覧できる状態
以下、系統ごとに解説します。あわせて、自分のサイトの規模に照らしてどこまで必要かにも触れていきます。
クロール対応
クロールとは、検索エンジンのプログラム(クローラー)がWebサイトを巡回し、ページを発見することです。ページが見つけてもらえなければ、検索結果に表示されることもありません。
クロール対応の代表的な施策には、次のようなものがあります。
- XMLサイトマップの設置
- robots.txtの適切な設定
- リンク切れの解消
- 階層を深くしすぎないサイト構造
XMLサイトマップとは、サイト内のページの一覧を検索エンジンに伝えるファイルです。robots.txtとは、クローラーに巡回してよい場所を指示するファイルです。
ただし、ここで安心してほしいことがあります。Googleは公式ドキュメントで、サイトの各ページが適切にリンクされていれば、通常はサイトのほとんどのページを検出できると説明しています。サイトマップが特に必要になるのは、サイズの大きなサイトや複雑なサイトの場合です。
出典:Google検索セントラル『サイトマップについて』
数十ページ規模のサイトであれば、メニューから各ページにたどり着ける普通の作りになっている限り、クロールで大きな問題はまず起きません。
さらにWordPressと一般的なテーマ、SEOプラグインを使っていれば、XMLサイトマップは自動的に生成されています。robots.txtも、意図的に触らない限り問題のある設定にはなりません。
つまりこの系統は、仕組みを知っておくことは大切ですが、多くの事業者にとって新たな作業はほとんど発生しない領域です。
インデックス対応
インデックスとは、検索エンジンがページの内容を理解し、データベースに登録することです。この登録内容をもとに検索順位が決まるため、ページが何について書かれているのかを正しく伝えることが大切です。
この系統は、自分の手で改善できる余地が最も大きい領域です。ページの中身にどんな言葉を使うか、見出しをどう組み立てるかは、書き手の判断で決まる部分だからです。代表的な施策を順に説明します。
titleタグ
titleタグとは、ページのタイトルを指定するHTMLのタグです。検索結果に表示される見出しの元になり、検索エンジンがページの主題を理解するうえでも、検索したユーザーがクリックするかを判断するうえでも、最も重要な要素のひとつです。
そのページが誰のどんな悩みに答えるのかが伝わる言葉を、ページごとに固有に設定します。WordPressであれば、投稿タイトルがそのままtitleタグに反映されるのが一般的です。
見出しタグ(hタグ)
見出しタグとは、ページ内の見出しの階層を示すタグです。大見出しがh1、その下の見出しがh2、h3と続きます。書籍の章と節のような構造を作ることで、検索エンジンとユーザーの双方が内容を把握しやすくなります。
見た目の文字サイズを変える目的で見出しタグを使うと、構造が崩れます。あくまで文章の階層を表すために使います。
メタディスクリプション
メタディスクリプションとは、ページの概要文を指定するタグです。検索結果でタイトルの下に表示される説明文の元になります。検索順位への直接の影響はないとされていますが、ユーザーがクリックするかどうかに影響します。
noindexの確認
noindexとは、そのページを検索結果に表示しないよう検索エンジンに伝える設定です。本来は検索結果に出す必要のないページに使うものですが、誤って重要なページに設定されていると、どれだけ内容を磨いても検索結果に表示されません。
サイト制作時のテスト設定が残っているケースもあるため、一度確認しておくと安心です。Google Search Consoleを使えば、noindexによって登録されていないページを確認できます。
URLの正規化(重複コンテンツの解消)
同じ内容のページが複数のURLでアクセスできる状態を放置すると、検索エンジンからの評価が分散することがあります。たとえば、wwwの有無やhttpとhttpsが混在している状態です。
評価を集めたいURLを1つに定め、他のURLからは転送(リダイレクト)を設定するのが基本です。WordPressと一般的なサーバー設定であれば自動的に処理されていることも多いですが、サイトの引っ越しや作り直しの際には注意が必要な項目です。
ページ体験
3つ目の系統は、ユーザーがページを快適に閲覧できる状態を整えることです。Googleは、ユーザー体験に関わる要素も検索順位の評価に取り入れています。
HTTPS化
HTTPSとは、サイトとの通信を暗号化する仕組みです。URLがhttpsで始まっていれば対応済み、httpのままなら未対応です。
Googleは2014年に、HTTPSを検索ランキングのシグナルとして使用することを公式に発表しています。
出典:Google検索セントラルブログ『ランキング シグナルとしての HTTPS』
現在では大半のサイトが対応済みですが、古いサイトではまだhttpのままのケースが残っています。未対応の場合、ブラウザに保護されていない通信という警告が表示され、SEO以前に訪問者からの信頼に関わります。自分のサイトがhttpのままなら、最優先で対応すべき項目です。
表示速度
ページの表示が遅いと、ユーザーは閲覧をやめて離脱してしまいます。Googleも表示速度を評価に取り入れています。
速度が問題になる原因は、多くの場合、画像の重さです。スマートフォンで撮影した写真をそのまま載せると、1枚で数MBになることがあります。掲載前に画像を圧縮する、適切なサイズに縮小する、という基本だけでも大きく改善します。
自分のサイトの速度は、Googleが提供する無料ツールのPageSpeed Insightsで測定できます。
モバイル対応
スマートフォンで見たときに、文字が読みやすく、ボタンが押しやすい状態になっているかです。検索の主役はすでにスマートフォンであり、Googleもモバイル版のページを基準にサイトを評価しています。
WordPressの一般的なテーマを使っていれば、モバイル対応は最初から組み込まれています。自分のスマートフォンで主要なページを開き、読みにくい箇所がないか確認しておけば十分です。
まとめ
本記事の要点を整理します。
- 内部対策とは、自分のサイトの内側で行う施策の総称
- 外部対策との分かれ目は、サイトの内側か外側か
- 内部対策は自分の手で完結できる。まず着手すべき領域
- 内部対策と外部対策に公式定義はなく、業界用語である
- テクニカルSEOとコンテンツSEOは、別の軸による分類
- 施策はクロール対応、インデックス対応、ページ体験の3系統
- 一般的なCMSを使っていれば自動的に満たされている項目も多い
- 過剰な網羅より、自分の規模に必要な確認に絞ることが大切
内部対策と聞くと専門的で難しそうに感じますが、実際に確認すべきポイントは、自分のサイトの規模に照らせば限られています。
まずはHTTPS対応の確認から始めてください。未対応なら最優先の項目です。次にtitleタグと見出しの見直し、そして画像の軽量化と進めれば、自分の手が届く範囲でSEOの土台は整います。
サイト全体をどの順で進めるかは、最初に取りかかる順序を参考にしてください。

