SEOの情報は世の中にあふれていますが、その多くは誰かの解釈で、又聞きのうちに少しずつ形を変えたものです。振り回されないために立ち返りたいのが、Google公式SEOスターターガイドです。SEOの情報源をたどると、多くは結局このGoogle自身の発信に行き着きます。数少ない一次情報のひとつです。
この記事では、そのガイドを頭から順に読み解いていきます。一緒に見ていきましょう。
Google公式SEOスターターガイドとは
Google公式SEOスターターガイドは、Googleが自ら公開しているSEOの入門ドキュメントです。SEOの情報は無数にありますが、Google自身が名前付きで体系立てて出している入門文書は、これくらいしかありません。だからこそ一次情報としての価値が高く、多くのSEO担当者が繰り返し参照しています。
ひとつ押さえておきたいのは、これが「やれば順位が上がる手順書」ではないことです。Google自身、検索でトップになる秘訣はないと明言しています。このガイドはあくまで、検索エンジンがサイトを見つけ、理解しやすくするためのベストプラクティスをまとめたもの。上位表示や集客は、その土台の先に結果としてついてくるものだという位置づけです。
また、このガイドはGoogleの公式ドキュメント群全体の入り口でもあります。各テーマには、より詳しい個別ドキュメントが用意されていて、スターターガイドはその全体を見渡す地図のような存在です。
それでは、ガイドが実際に何を言っているのか、ここから順に読み解いていきましょう。
Google公式SEOスターターガイドを読み解く
ここからは、ガイドの構成に沿って、頭から順に各セクションを見ていきます。Googleが何を言っているのかを整理しながら、要所では実務でどう効いてくるのかも合わせて押さえていきます。
1. Google検索の仕組みと、コンテンツが見つかるまで
ガイドはまず、Google検索の基本的な仕組みから始まります。Googleは完全に自動化された検索エンジンで、クローラーと呼ばれるプログラムが常にウェブを巡回し、見つけたページをインデックスに登録しています。ガイドは、通常はサイトを公開する以外に特別なことをする必要はない、と言い切ります。検索結果に出ているサイトのほとんどは、人の手ではなく自動で見つけられ、登録されたものです。
この仕組みは、大きくクロール、インデックス、ランキングの3段階に分かれます。クローラーがリンクをたどってページを見つけ(クロール)、その内容を解析してデータベースに登録し(インデックス)、ユーザーの検索に対してふさわしい順に並べる(ランキング)。SEOとは、この各段階に対してうまく働きかけていく取り組みだといえます。
ここでひとつ実務的に気になるのが、では新しく公開したページはどうやって見つけてもらうのか、という点です。Googleは基本的にリンクをたどって新しいページを発見します。つまり、すでに知られているどこかのページから自分のサイトへのリンクが1本でもあれば、それをたどって見つけに来ます。逆にいえば、どこからもリンクされていないページは、原理的には見つけてもらえません。
自分のサイトがすでに登録されているかは、検索窓にsite:自分のドメインと入力すれば簡単に確認できます。結果に出てくれば、インデックスされている証拠です。
なお、新しい記事を公開したりリライトしたときに、Search Console(Googleが無料で提供するサイト管理ツール)からインデックス登録をリクエストすることもできます。これはGoogle公式には必須ではありません。放っておいてもいずれ見つけて登録されるからです。ただ、自然に再クロールされるのを待つと数日から数週間、ときにそれ以上かかることもあります。施策の成果を早く反映させたいなら、こちらから申請してクロールを促すのは理にかなった判断です。順位を上げる行為ではなく、認識を早める行為だと理解しておくとよいでしょう。
2. 検索エンジンに読める状態をつくる
次にガイドが触れるのが、ページの見え方がGoogleとユーザーで同じかどうか、という観点です。
Googleがページをクロールするとき、理想は平均的なユーザーが見るのと同じようにページを見られることです。そのためには、ユーザーのブラウザがアクセスできるリソースに、Googleもアクセスできる必要があります。たとえばCSSやJavaScriptといった構成要素がブロックされていると、Googleはページの内容を正しく把握できず、結果として検索で表示されにくくなることがあります。
ここは少し補足が必要です。今のGoogleのクローラーは、HTMLだけでなくCSSやJavaScriptも読み取り、実際にブラウザと同じようにページを描画(レンダリング)できます。ですからGoogleは中身を読めないわけではありません。ただし、JavaScriptで後から内容を描画する作りの場合、その処理は後回しにされたり、認識が不確実になったりしやすい傾向があります。
そのため実務上の結論はシンプルです。本当に大事なコンテンツは、JavaScriptで後から描画するよりも、最初からHTMLに書いておくほうが確実に伝わります。凝った作りや設定のミスで、人間には見えているのにGoogleには見えていない状態が生まれることがあり、それが土台の崩れにつながります。
自分のページがGoogleにどう見えているかは、Search ConsoleのURL検査ツールで確認できます。ライブテストを使えば、Googleが実際にレンダリングした後の状態をスクリーンショットやHTMLで確認できます。普段インデックス確認に使っている人も多いと思いますが、この見え方の確認まで使うと、土台が崩れていないかを実地でチェックできます。
3. サイトを整理する
続いて、サイトの構造を整理する話です。
まずURL。ガイドは、ユーザーにとってわかりやすいURLを使うことを勧めています。意味のある単語で構成されたURLは、ユーザーにもGoogleにも、そのページが何についてのものかを伝える手がかりになります。
次に、類似したトピックのページをディレクトリ(フォルダ)にまとめること。ただしこれには前提があり、効いてくるのは数千URLを超えるような大規模サイトの話です。ディレクトリで整理しておくと、Googleがこのフォルダは更新頻度が高い、ここは低いといった傾向を学習し、クロールの効率が上がります。逆にいえば、小〜中規模のサイトであれば、構造を完璧に作り込もうと気負う必要はありません。ガイド自身も、サイトがどう整理されていてもGoogleはたいてい理解できる、と添えています。
重複コンテンツについても触れられています。ここは誤解が多いところですが、同じ内容が複数のURLで見られる状態は、それ自体がスパムやペナルティの対象になるわけではありません。ただクロールが非効率になったり、ユーザーがどれが本来のページか迷ったりする問題があるだけです。対処としては、複数あるURLのうちどれが本命かをGoogleに伝える正規URLの指定(canonical)や、リダイレクトといった方法があります。
4. サイトを面白く有用にする
ここがガイドの中核です。Googleは、人々が魅力的で有用だと感じるコンテンツを作ることは、このガイドの他のどの提案よりも検索での存在感に影響する可能性が高い、と言い切っています。技術的な工夫の前に、まず中身そのものの質が一番効く、という宣言です。
その前に、ここでいうコンテンツとは何かを整理しておきます。コンテンツとは、そのページを訪れたユーザーが価値として受け取る中身のことです。文章だけでなく、画像も動画も含みます。記事に限った話ではなく、商品ページもFAQもトップページも、すべてコンテンツです。一方で、サイトの枠組み(レイアウトやナビゲーション)や、検索エンジンに情報を伝える裏方のタグ(タイトルタグやメタ情報)は、コンテンツそのものとは別のものとして分けて考えると整理しやすくなります。
ガイドは、魅力的で有用なコンテンツが持つ特徴として、次の4つを挙げています。
- 読みやすく整理されていること
- 独自であること(他人の焼き直しではなく自分の知見から作る)
- 最新であること(古くなったら見直し、更新する)
- 役に立ち、信頼でき、人間を第一に考えていること
経験や専門性の裏づけを示すと、読者がその内容の信頼性を判断しやすくなります。
この4つを貫いているのは、検索エンジンを攻略するのではなく、ユーザーが受け取る中身を良くするという一貫した姿勢です。
コンテンツを作るときは、読者がどんな言葉で検索するかも想定しておきます。詳しい人とそうでない人とでは、同じものを探すのに使う言葉が違うからです。ただしGoogleは、あらゆる言い回しを網羅しようと頑張りすぎなくてよい、自分たちの言語理解は賢いので一字一句一致していなくても関連を理解できる、とも言っています。このあたりは、対象の言葉がどれだけ一般的か(世の中にどれだけ使われているか)にもよるので、固有名詞のようなマイナーな言葉ほど、検索する側の表記に合わせる意識が必要になる場面もあります。
また、広告がコンテンツを読む邪魔になるほど過剰になっていないか、という点にも注意が促されています。
リンクの扱いについてもこのセクションで触れられます。リンクテキスト(アンカーテキスト)は、こちらのような曖昧な言葉ではなく、リンク先の中身がわかる言葉にするのが望ましいとされています。そうすれば、ユーザーにもGoogleにもリンク先が何かが伝わります。また、リンクにはリンク先へ評価を渡す働きがあるため、信頼できない外部サイトにリンクする場合は、HTMLのrel属性で注釈をつけます。整理は次の通りです。
| リンクの種類 | 使う属性 |
|---|---|
| 広告や報酬目的のリンク(アフィリエイトなど) | sponsored |
| ユーザーが投稿したリンク | ugc |
| その他評価を渡したくないリンク | nofollow |
5. 検索結果での見え方に影響を与える
検索結果の画面でユーザーの目に入る要素のうち、ガイドはタイトルリンクとスニペットの2つに触れています。
タイトルリンクは、検索結果に表示される見出しです。主にHTMLのタイトルタグがもとになりますが、最終的にどう表示するかを決めるのはGoogleです。ページごとに固有で、内容を正確に表した簡潔なタイトルをつけることが勧められています。
スニペットは、タイトルの下に表示される説明文です。これはページの実際の内容から生成され、メタディスクリプションタグの内容が使われることもあります。
ここで知っておきたいのは、タイトルもスニペットも、自分が設定した文言がそのまま表示されるとは限らないことです。Googleが、その検索により適していると判断すれば書き換えます。とくにスニペットは書き換えられることが多く、設定したメタディスクリプションがそのまま使われる割合はそう高くありません。Googleは検索語ごとに、ページの中からもっとも関連性の高い箇所を抜き出して見せようとするからです。
ですから、書き換えられにくくする本筋は、タグだけを作り込むことではありません。タイトル、見出し、本文、説明文が一貫してそのページの中身を表している状態を作ることです。どこを抜き出されても要点が伝わるようにしておく、という考え方になります。
6. 画像と動画を最適化する
画像も、ユーザーがサイトを見つける入り口になります。画像検索からたどり着く人もいるからです。
ガイドが勧めるのは2つ。ひとつは、関連するテキストの近くに、鮮明でわかりやすい画像を配置すること。画像そのものは、Googleにとっては意味を読み取りにくい対象なので、周囲のテキストがその画像を理解する手がかりになります。もうひとつは、画像が何かを説明するalt(オルト)テキストをつけることです。
altテキストは、すべての画像に機械的につけるというより、意味のある画像にきちんとつけ、純粋な装飾画像は空にしておくのが適切です。また、キーワードを詰め込む場所ではない点にも注意が必要です。あくまで画像の説明として書きます。
動画も基本的な考え方は同じです。動画を主役にしたページであれば、関連するテキストのそばに配置し、タイトルや説明にわかりやすいテキストをつけます。テキストや画像で押さえたことが、そのまま動画にも当てはまります。
7. サイトを宣伝する
良いコンテンツを作ったら、それを知ってもらう働きかけも有効です。ガイドはその方法として、SNSでの発信、コミュニティへの参加、オンライン・オフラインの広告、そして口コミなどを挙げています。中でも口コミは、もっとも効果的で長続きする方法のひとつとされています。地道ですが本質的です。
ここで一点、線引きが示されます。宣伝はやりすぎると逆効果になり、検索エンジンに検索結果を操作する行為と見なされることがある、という点です。
具体的に注意したいのが相互リンクです。リンクする代わりにリンクしてもらうことだけを目的とした過剰な相互リンクは、Googleがスパムにあたる例として明確に挙げています。サイトを運営していると「相互リンクしませんか」という打診が届くことがありますが、これはまさにこの例に該当します。基本的には、リンクをもらえるからという理由で応じるべきではありません。応じる価値があるとすれば、それが自分の読者にとって本当に有益な紹介である場合だけです。
被リンク自体は、今も評価において意味を持ちます。ただし効果があるのは、関連性が高く信頼できるサイトからの自然なリンクです。機械的に交換したリンクは、効果が薄いだけでなく、リスクを伴うこともあります。
8. 重視しなくていいこと
ガイドの最後では、世の中で語られがちだが実は重視しなくてよい、とGoogleが考えていることが列挙されます。SEOの常識として今も信じられているものが少なくないので、要点だけ挙げておきます。
- メタキーワードタグ(Googleは使っていません)
- キーワードの詰め込み(スパムにあたります)
- ドメイン名やURLにキーワードを入れること(ランキング上ほとんど効果はありません)
- コンテンツの文字数(最適な文字数といった魔法の数字は存在しません)
- サブドメインかサブディレクトリか(都合のよいほうでよい)
- PageRankの偏重(ランキング要因の1つにすぎません)
- 重複コンテンツのペナルティ(そもそもペナルティではありません)
- 見出しの数や順序(検索の観点では順序が前後しても関係ありません)
そしてE-E-A-T。経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字で、SEOの評価基準としてよく語られる言葉です。E-E-A-Tはランキング要因なのか、という問いに対して、Googleは違うと明言しています。
これらは一つひとつが、世の中の通説とGoogleの見解とのズレを含んでいて、それぞれ単独で掘り下げる価値があります。ここでは、こうした重視しなくてよいとGoogleが言っているものがある、という事実を押さえておけば十分です。
まとめ
Google公式SEOスターターガイドを、頭から順に読み解いてきました。
通して見えてくるのは、ガイドが一貫して同じことを言っているということです。検索エンジンにサイトを見つけてもらい、正しく理解してもらえる状態を整えること。そのうえで、小手先のテクニックではなく、ユーザーにとって価値ある中身そのものを良くすること。上位表示や集客は、その先に結果としてついてくるものだという立場です。
そしてもうひとつ、このガイドはあくまで入り口だということも繰り返し感じられます。各テーマには、より詳しい個別ドキュメントが用意されています。スターターガイドで全体像をつかんだら、気になったところから詳細をたどっていく。それが、情報に振り回されずにSEOと向き合うための、確かな出発点になります。
出典:Google検索セントラル『検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド』

