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SEOは何から始めればいい?サイトを持つ事業者のための6ステップ

SEOに取り組むと決めた。では、何から手をつければいいのか。ここで多くの人が立ち止まります。

調べてみると、たいていの解説は「キーワードを選び、記事を書きましょう」と教えてくれます。しかし、すでに事業を営み、自社のWebサイトを持っている人にとって、最初の一手が「新しい記事を書く」なのは、実は順序としておかしいのです。

この記事では、すでにサイトを持つ事業者がSEOをゼロから始めるための順序を、6つのステップで示します。1つずつ進めば、迷わずに最初の成果まで辿り着ける道筋です。

目次

この記事の前提と、順序が大切な理由

まず、この記事が想定する読者と、なぜ順序の話をするのかを整理しておきます。

この記事は、すでに事業を営んでいて、コーポレートサイトやサービスサイトなど、自社のWebサイトを持っている人に向けて書いています。これからメディアサイトを立ち上げたい人向けの話ではありません。また、そもそもSEOに取り組むかどうかから迷っている方は、先にSEOは自社で取り組むべきか?で判断を固めてから戻ってきてください。

世の中のSEOの始め方の多くは、キーワードを選び、検索意図を調べ、記事を書く、という流れで説明されます。この手順自体が間違っているわけではありませんが、これは実質的にメディアを立ち上げる手順です。すでに会社案内やサービス紹介といったページを持っている事業者が、それらを放置したまま新しい記事から書き始めるのは、手元の資産を無視して新築を建てるようなものです。

SEOでつまずく原因の多くは、知識の不足ではなく、順序を知らないまま手当たり次第に始めてしまうことにあります。逆にいえば、正しい順序さえ知っていれば、1つずつ着実に進められます。ここから、その順序を見ていきましょう。

全体像:6つのステップ

先に全体を眺めておきます。この記事で示す順序は次の6つです。

  1. 道具を入れる
  2. 事業と顧客を言葉にする
  3. 現状を知る
  4. キーワードを洗い出し、優先度をつける
  5. 既存ページに割り当てる
  6. 観測して、直す

新しいページを作る話は、ステップ5の後半になってようやく出てきます。それまでは、道具と、自社の言葉と、いまあるページが主役です。では順に見ていきます。

ステップ1:道具を入れる

最初にやることは、施策ではなく、計測の道具を入れることです。

具体的には、Google Search Console(サーチコンソール)とGoogleアナリティクス(GA4)の2つを導入します。どちらもGoogleが無料で提供しているツールです。Search Consoleは「検索結果で自社サイトがどう見られているか」を、GA4は「サイトに来た人がどう動いたか」を教えてくれます。

なぜ施策より先に道具なのか。理由は単純で、この後のすべてのステップの判断材料が、ここから出てくるからです。現状を知るのも、キーワードを見つけるのも、成果を確かめるのも、すべてこの道具が起点になります。逆に、道具を入れる前に施策を始めてしまうと、何が効いたのかを後から確かめる術がありません。

Search Consoleを導入したら、あわせてXMLサイトマップを送信しておきます。サイトマップとは、サイトにどんなページがあるかを検索エンジンに伝える一覧表のようなものです。今後ページを増やしていくうえでの基盤になるので、このタイミングで整えておきましょう。

ステップ2:事業と顧客を言葉にする

道具を入れたら、次はパソコンを閉じて、自社のことを言葉にします。

書き出すのは、次のようなことです。自社は何を提供しているのか。誰に届けているのか。お客さんに「御社は何をしている会社ですか」と聞かれたとき、普段どう答えているか。自社の強みは何か。

ここで大事なのは、検索の話はまだしない、ということです。よくある解説では、この段階で「どんなキーワードで見つけてほしいかを決めましょう」と言われます。しかし、SEOをこれから始める人が、自社に合うキーワードを最初から言い当てるのは無理があります。それはこの後のステップで、データを見ながら分かってくるものです。

いま答えるべきは、検索のことではなく、事業のことだけ。ここなら誰でも答えられるはずです。そしてこの言葉が、後のステップでどのキーワードを狙うかを判断するときの基準になります。

ステップ3:現状を知る

次に、自社サイトがいま検索でどう扱われているかを確かめます。

まず、検索窓に「site:自社のドメイン」と入力してみてください。表示されたページが、検索エンジンに登録(インデックス)されているページです。思ったより少ない、あるはずのページが出てこない、といった発見があるかもしれません。

続いて、ステップ1で入れたSearch Consoleの「検索パフォーマンス」を開きます。ここには、自社サイトがどんな検索語(クエリ)で表示され、クリックされているかが並んでいます。多くの場合、最初に目にするのは社名やサービス名での検索がほとんど、という光景です。それでもがっかりする必要はありません。「いま自社は、ほぼ社名でしか見つけられていない」と分かること自体が、現在地の把握です。中には、思いもよらない言葉で表示されているページが見つかることもあります。それは、この後のステップの貴重な手がかりになります。

なお、この段階で技術的な問題が見つかることがあります。たとえば、登録されているべきページがインデックスから漏れている、サイトがhttpsになっていない、スマホで表示が崩れる、といったものです。インデックス漏れはSearch Consoleの「ページ」レポートで、表示崩れは自分のスマホで実際に開いて確かめられます。見つけたら、先に直しておきましょう。自社で触れる部分はその場で、サーバーやテーマに関わる部分は制作会社に相談する、といった判断が要ります。土台に穴があると、この後の取り組みの効果が正しく現れません。

ステップ4:キーワードを洗い出し、優先度をつける

現在地が分かったら、いよいよキーワードに向き合います。ここでのキーワードとは、突き詰めれば「検索する人が抱えている悩みや知りたいこと」のことです。

洗い出しの入り口は3つあります。1つ目は、ステップ3で見たSearch Consoleの実データ。すでに自社が表示されている検索語は、最も確かな手がかりです。2つ目は、顧客が実際に使う言葉。商談や問い合わせで、お客さんはどんな言葉で悩みを口にしているか。ステップ2で言葉にした事業と顧客がここで効いてきます。3つ目は、キーワードツールでの拡張です。Search Consoleに見えるのは「すでに表示されている検索」だけです。まだ自社に届いていない需要は、Googleキーワードプランナーや、検索窓に語を入れると出てくる候補を集めるサジェスト系のツールで補って見つけます。

洗い出したら、優先度をつけます。判断の軸は2つで、順序が大切です。第一に、事業との関連度。その検索に応えることが、受注や問い合わせにつながるか。第二に、勝ち目があるか。検索される回数が多いキーワードほど競合が強く、上位は激戦になります。中小企業がいきなりそこで戦うのは現実的ではないので、より具体的に絞り込まれたキーワードから狙います。勝てそうだから選ぶのではなく、事業に近いものの中から、勝てる場所を探す。この順番を間違えないでください。

では、勝ち目はどう見極めるのか。ツールの数値とにらめっこする前に、まずそのキーワードで実際に検索してみることです。上位に並んでいるのが、実業でまったく歯が立たない規模の相手ばかりなら、検索でも難しいと考えられます。逆に「この会社が上位なら、うちもいけるのでは」と思える顔ぶれなら、勝負する価値があります。

そして、上位の顔ぶれからはもう1つ、より本質的なことが読み取れます。それは、その検索に対してGoogleが「検索した人は何を求めている」と判断したか、です。

たとえば、上位が比較サイトやポータルで埋まっているなら、Googleは「この検索者は複数を並べて選びたがっている」と判定しています。そこに一社のサービスページをぶつけても、求められている形と噛み合いません。そのキーワードは、そもそも事業サイトが目指す場所ではないのです。一方、上位がメディアの解説記事で埋まっているなら、書いているのは実業を持たないライターであることも多く、現場の人間が実体験をもとに書けば、中身で勝てる余地があります。

上位を見て、検索した人が何を求めているのかを読む。自社がその求めに応えられる形なら、勝負できます。

ステップ5:既存ページに割り当てる。新しく作るのは、溢れた分だけ

優先度をつけたキーワードを、次は自社のページと結びつけていきます。ここがこの記事で一番伝えたい部分です。

原則は、1キーワード1ページです。1つのキーワード、正確にはよく似た言い回しを束ねた1つの検索意図に対して、それに答えるページを1つ用意する。逆に、1つのページに複数の悩みを詰め込むと、そのページが誰のどの悩みへの答えなのかがぼやけてしまいます。検索の裏には必ず何かを知りたい人がいて、その人の悩みに1ページで正面から答える。これが基本の形です。

この原則で、洗い出したキーワードを既存のページに割り当てていきます。「この検索の悩みには、サービス紹介ページが答えられる」「この悩みには加工事例のページが合う」という具合です。割り当てが決まったページは、その検索意図に照らして中身を見直します。問うべきことは1つだけです。この検索をした人の悩みに、このページはちゃんと答えられているか。答えられていなければ、説明を足し、構成を直します。ページのタイトルや説明文(ディスクリプション)、見出しも、その検索意図が伝わる言葉に整えます。ただしこれらは、中身が検索意図に合った結果として自然に定まるものであって、タグだけを小手先で調整する話ではありません。

そして、割り当てを進めていくと、既存のページではどうしても受けられない悩みが残ります。新しいページを作るのは、このときです。書きたいから書くのではなく、割り当てから溢れて、必要が確定したものだけを作る。なお、新しいページは記事とは限りません。足りていないのがサービスの説明なら、作るべきは記事ではなくサービスページです。

ステップ6:観測して、直す

ここまでの取り組みが効いているかを、Search Consoleで確かめていきます。

見る数字は3つで足ります。表示回数、クリック数、掲載順位です。クリック率(CTR)はクリック数を表示回数で割れば出るので、まずはこの3つの動きを追えば十分です。

確認の頻度は、2週間に1回程度。忙しくても月に1回は見るようにします。毎日見ても意味はありません。検索エンジンがページの変更を評価に反映するには時間がかかるため、日々の細かな上下に一喜一憂しても得るものがないからです。

数字を見たら、動いたページと動かないページを確かめます。表示が増えたなら、割り当てたキーワードで認識され始めた証拠です。表示はあるのにクリックされないなら、検索結果での見え方に改善の余地があります。動きがまったくないなら、割り当てそのものや、ページが検索意図に答えられているかを見直します。観測して、直して、また観測する。SEOはこの繰り返しで前に進みます。

なお、ステップ1で一緒に入れたGA4は、この6ステップでは前面に出しません。GA4が担うのは、クリック後にサイト上で読者がどう動いたかを見る役割です。Search Consoleで検索の見え方を掴んだあとの改善で主役になるので、器として先に入れておくのが、あとから効いてきます。

まとめ

すでにサイトを持つ事業者がSEOを始める順序を、6つのステップで見てきました。要点を振り返ります。

  • 最初の一手は施策ではなく、計測の道具を入れる
  • 検索の前に、事業と顧客を自分の言葉にする
  • 現状を知ってから動く。キーワードはデータから見つける
  • 優先度は、事業との関連度を先に、勝ち目の見極めを後にする
  • 1キーワード1ページで既存ページに割り当て、直す
  • 新しく作るのは溢れた分だけ。記事とは限らない
  • 観測は、表示・クリック・順位の3つを2週間に1回見る

貫いているのは、新しく作る前に、いまあるものを活かすという考え方です。SEOと聞くと記事の量産を思い浮かべる方は多いのですが、すでに事業とサイトを持っているなら、最初にやるべきはその資産を検索する人の悩みに向けて整えることです。この順序で、1つずつ進めてみてください。

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